トップページ > 連載記事 社会人のための競技スキー > 第7回 クローチングのフォーム
 
第6回 ターントレーニング② <<     >> 連載をはじめるにあたって


●第7回 クロウチングのフォーム

◎ターン時におけるクロウチング


GSでは、普通クロウチングを組むことは必要とされません。なぜならばクロウチングを組むことによって、ターンに入るきっかけが遅れることがあるからです。ですから、基本的にはGSではクロウチングは組まず、前回および前々回で説明した「ターンドライブ」を大切にすることです。
但し、クロウチングを組んだ方がいいケースもあります。それは、緩斜面で直線的なセットのときです。その場合、上体が立ったままでは風圧でタイムロスになりますので、クロウチングを組んだ方がいいのです。また、同じ緩斜面でもきついセットのときにクロウチングを組みますと、ターンが流れで減速スキーになります。
GSでは風の抵抗よりもターンをしながら加速することが大事です。やみくもにクロウチングを組むことは避けてください。

GSでクロウチングを組むときは、緩斜面に入る前に早めにクロウチングを組み、急斜面に入る前にクロウチングをとき、ターンをしっかりして急斜面に入ることです。
緩斜面に入ってからクロウチングを組んでも加速はしません。

前回脱明しましたように、緩斜面に入る前のセッティングは比較的緩いわけですから、緩斜面に入る2双旗前くらいから緩斜面方向にスキーをしっかりと向けてクロウチングを組みますと、加速され緩斜面でスキーが走ります。急斜面では真っすぐにクロウチングで突っ込みますと、ターンが流れ急斜面に入るときに大幅なタイムロスをし、セッティングによってはボールに入りきれない場合もあります。ですから、早めにターンを作って急斜面に入ると、緩斜面のスピードを急斜面につなぐことができます。
また、腕を抱えることによってターンが流れる人はクロウチングのフォームにこだわらず、腕を抱えないで上体を低くし、手を前に出して、手でターンを作ることもある意味ではクロウチングです。
GSはフォームにこだわらないでターンドライブが大切だということを頭に入れておいてください。



図2の「膝の角度と滑走面と雪面の接点」
は、写真の位置で説明を分かりやすくするため図解したものですから、写真の説明と合わせて見てください。

写真A    

理想的なクロウチングフォームで、ターンの前半でしっかり雪面をとらえ、両膝をうまく前に乗せて、なるべくエッヂを立てないで遠心力を利用してターンを作っています。②の位置では外スキーの滑走面がほんの少し見える程度です。③の位置でのターンドライブをきめなければならない時には、山・谷スキーにある程度均等(多少のズレはあります)に乗りながらターンを作っています。

写真B

女性に多いフォームです。女性の場合は内股が多いですからこのようなフォームになりやすいのです。
このフォームの場合は、ブーツが合っていないケースがあります。平らな所で立った時に膝が内側に入るときは、カント調整やブーツチューンで膝が真っ直ぐ平行にするようにしてください。
女性の場合は、①の位置では膝が内側に入っても、スキーはフラットになっていると思います(ブーツや膝の角度)。
Bの人も、フラットになっていると思います。
②の場合は、膝が内に入っているためスキーのエッヂが立っているのだと思います。
③の場合は、②以上にスキーを起こしてエツヂングしないとターンを作れないと思います。
ですから、Bの場合は外スキーだけにエッヂがかかり、クロウチングを組んだときにスキーが減速になります。
なぜならば、クロウチングフォームでは通常スピードが出、上体が低くなることによって目線も低くなり、上体が立ったときよりもスピード感が出ますし、方向をきめるためにエッヂを立てないとコントロール出来ませんから減速スキーになります。

写真C

クロウチングのフォームは肩幅位がベストと言われています。
大幅に開いて体をなかに入れると、スキーがフラットになっていいのではないかと思われます。キロメーターランセのように真っ直ぐ下に滑る場合は、②のフォームの様に風圧を避けて速度を増すようになるでしょう。但しこの場合はGSで、クロウチングでターンをして加速するということが大事ですから、このようなフォームをとると、外にエッヂがかるようになります。
①では、外スキーが流れていますから、流さない為にエッヂを立てていると思います。
②でも内・外スキーのエッヂがかけています。
③では、大きくエッヂをかけ、外スキーの雪煙が上がっています。
Cのように、足を開き過ぎると両スキーの外側に加重がかかり内足が浮くフォームになります。内が浮くと曲がらないので、大幅にエッヂを立てるようになります。ただし、股関節の柔らかい人やスキーがフラットになる場合は良いと思います。
GSの場合は、無理をしないでターンを大事にするためのクロウチングということを頭に置いて欲しいと思います。

 
第6回 ターントレーニング② <<     >> 連載をはじめるにあたって
トップページ | RI の紹介 | メンバー募集 | 連載記事 | リンク | サイトマップ
Copyright ©2015-2016  RI Racing  All Rights Reserved.